2012年9月アーカイブ
こんにちは、岡山市・倉敷市の中間で歯科医院をしている、歯医者の山下聡です。
先日の歯科健康講座の資料から・・。
昨年、6年ぶりに行われた歯科実態調査の結果、8020達成者が38.3% 平均残存歯数が13,9本ということでした。
これはグラフを見てわかるように約10年で倍以上の驚異的な伸びを示しており、いまや3人に1人が20本の歯をもっています。
もちろんほかの各年代の数値もよくなっています。特に60歳代の平均本数が初めて20本を超えました。
これは、歯科医師会がすすめている8020運動(80歳で20本の歯を残しましょう)の賜物?歯科医療の向上、健康意識の増加などさまざまな要因が考えられますが、なんでも自分の歯でかめれば全身の健康もよいことがわかっていますから、ますます、健康なお年寄りが増えていくことを示唆しています。
歯が残れば残るほど、ますますのケアが必要となってきます。自身で行うセルフケア、足らずを補うプロフェッショナルケア。その2つをうまく組み合わせていくことが大事です。近年、定期受診をする方が確実に増えてきていますが、まだまだ欧米から比べると少ないのが現状です。いつまでも自分の歯を健康な状態で使い続けたいものです。
ただし・・・・
「8020」は、社会全体または集団としての目標を示したものですが、個別の医療における目標ではありません。自分の歯を20本残したほうが良い場合もあれば、そうでない場合もあります。また、義歯により、ある程度の咀嚼の回復は可能です。義歯でも、きちんと噛めている人は健康状態が高いという調査結果もあります。 歯の治療(とくに義歯関係)をされる場合、「8020」を意識する必要は、それほど高くはありませんので、御留意ください。
こんにちは、岡山市・倉敷市の中間で歯科医院をしている、歯医者の山下聡です。
既報通り、歯科講座をしてきました。
今回は60歳以上の方を対象に
「60歳からの健口 歯周病・入れ歯・口臭 いろいろ悩みはあるけれど・・・」
と題し、下記の内容でお話ししました。
1.噛むこと・全身への影響
2.高齢者のお口の状態
・虫歯の特徴
・唾液
・摂食・嚥下機能
3.8020運動について
4.治療
(入れ歯、ブリッジ、インプラント)
5.口腔ケア
特に噛むことは 「よく噛むこと」「よく噛めること」「安定したかみ合わせであること」に分け、それらがいかに全身の健康と密接しているかを強調しました。たとえば、認知症・転倒・肺炎・肥満防止・味覚などAOL,QOLに関係することに、みなさん驚かれていました。
講座終了後、質疑約20通いただき、また「 今日一番、印象に残ったことを教えてください。」とのアンケートに下記のように返答いただき、その関心の高さに驚くとともにうれしくも思いました。
*とても勉強になりました。
*歯が大切だということが良く分かりました。歯からいろいろな病気、寝たきりになること、認知症、糖尿病、肺炎など生命に関わることにびっくりしました。これからも歯を大切にしたい。
*私も嚥下障害があるかもしれません。歯周病が体の全身の病気に関わっていることがわかって本当に怖いです。心筋梗塞や脳梗塞など命に関わることや認知症にも関係があると聞いています。喫煙や飲酒が悪いことは家族に伝えています。
*誤嚥性肺炎についての説明と現代の歯科治療について
*歯の病は全身の病ということ
*若いときは歯の事はあまり気にしていませんでした。歳をとってからは毎日が大事をと思いました。
*私も口腔ケアのため3ヶ月に1回歯科医院に行っています。おかげで70歳で25本以上あり大変ありがたく思っています。自分で生活したいと思っています。
*老人になるほど口腔ケアが大切。
*よく噛むということ。口腔ケアについて
*自分の歯がたくさん残ってなくても義歯などでうまく噛めればそれがなくなるまで使うことができれば一番いいということ。
今後、ますますこのような企画が全市的に行われ、皆様のお口への関心度が高まり、ひいては全身の健康向上に役立ち、健やかな老後が過ごせますよう微力ながら、お手伝いできればと思っています。